カルチャーショックという言葉は一度は聞いたことがあると思います。
日本とアメリカではもちろん言語の違いだけでなく、生活習慣から宗教、国民性など様々な違いが多いです。
留学アドバイザーの資格試験の勉強をする際にとても印象に残ったのが、このカルチャーショックについてです。
今まで日本に長く居住していた人が、外国(ここではアメリカ)に行けば、全てが新鮮で、何もかもが魅力的で、すぐに憧れを抱くことと思います。
最初はカタコトの英語でも少しでも通じたことに感動し、女性であれば、アメリカ人の男性はなんて紳士なんだと感動し、陽気で気さくに声をかけてくる人種に憧れをも抱くことと思います。
テニスに関しても、そこらじゅうに自由に使えるテニスコートがあり、強い選手もゴロゴロいて、日本では受けないような強烈なサーブを打つ選手もいて、施設の大きさや規模に感嘆することと思います。
このような状態は「ハネムーン期」といって、新婚夫婦や付き合い始めの男女がお互いの良いところしか見えず、「恋は盲目」といった陶酔期です。全てが新鮮で、興味深く、気持ちが高揚する期間。言い換えれば、観光客的で「言葉が通じた」など、小さな「成功」を喜ぶ時期でもあり、見るもの聞くもの全てが刺激的で、毎日が楽しく、幸せな時期でもあります。ある意味、夢の中のような気分です。
勉強をした参考書によれば、この時期は平均で約半年間続くそうです。
しかし、それを超えてアメリカの生活に慣れた頃になると、今度は表題の「カルチャーショック」という時期を迎えます。
渡米当初の物珍しさや興奮が薄れ、次第に文化の違いにストレスを感じるようになります。それまでは新鮮で刺激的であった現地の気候・食べ物・習慣の違いなどに違和感を持つようになり、現地の人々ともっと有意義な人間関係を希望しても、言葉の壁や偏見の問題などにより、思うようにいかない時期です。
中々会話が盛り上がらず、自分自身に失望してしまうこともあり、特に食べ物が合わない場合、和食が恋しくなり、ストレスが溜まりやすくなります。また自分の希望する異文化コミュニケーションのレベルが高くなり、理想と現実との隔たりを意識し始め、失敗が気になり始め、失望感が募る可能性がある時期です。
失敗したくないために、それまでより話せなくなってしまうこともあり、現地の文化の嫌な面が気になり始め、「だから〇〇人は、××だ」というように否定的な発言をするようになる。
テニスでも結果が出ないことを、自分のコントロール出来ない、コーチのせいにしたり、練習相手のせいにしたり、環境のせいにしたりします。
このカルチャーショックの時期は渡米半年後から18ヶ月くらい続きます。
この時期に悩みが多くなり、酷い場合はうつ状態になってしまう場合もありますので、そんな時は迷わずすぐにご相談ください。
そして、それを乗り切り渡米後3年くらいして、現地の文化・言語を習得しながら落ち込んだ状態から這い上がった状態が「適応期」です。
無意識のうちに現地の文化に合わせてスムーズに行動できる場面が増えていき、言語力も向上してきている為、コミュニケーション力も向上し、自分の考えを言えるようになってきます。異文化適応に対する自信と満足感が高まり、海外滞在が楽しくなってきて、海外で生活しているという意識はあるが、生活に不便を感じなくなり、不自由なく日常生活を送れるようになります。
ここまでくれば一応留学成功と言えるかと思います。
しかし!!!!!
帰国後しばらくは、家族や友人との再会を喜び、懐かしい風景や食べ物を楽しむ時期がきて第2のハネムーン期間を迎えます。
何を食べても美味しく、どこでも安全で日本は良いなと思います。
しかしその後、自文化への再適応の問題が露呈すします。周りの人々が異文化での経験にあまり興味がないことにがっかりしたり、就職進学についての不安感、また異文化体験によってい自分自身の価値観が変化した為、友人と話が合わなくなり、自分の規範や習慣に疑問を抱き始めます。
これが「逆カルチャーショック」状態。
自文化に対する新たな疑問や不満が膨張し、カルチャーショックより重症になる可能性があります。異文化へ行くときは覚悟もあり、十分な準備もするが、帰国時は自文化へ戻るので、意外と無防備な場合が多いからです。
ここを乗り切るにはやはり同じ価値観を持った人と過ごす時間などを過ごすといいでしょう。
長くなりましたが、語学やテニス以外にも、文化や価値観の違いでつまずく人も少なくないのです。
次回は「留学後の考えられる不安」についてお話ししたいと思います。
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