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通信制高校という選択を“正解”にするために

テニスと学力を両立するという考え方


通信制高校に進むという選択は、テニスに打ち込みたい選手にとっては、時間を確保できるという意味で非常に有効な選択です。ただし、その環境をどう使うかによって結果は大きく変わります。

通信制に進むことで、練習時間が増え、遠征にも行きやすくなり、自分のペースで生活できるようになります。しかしそれは同時に、自分でやらなければ何も積み上がらない環境でもあります。誰かに管理されることが少ない分、意識して取り組まなければ学力は簡単に止まってしまいます。



中学3年の見落とされがちな重要性


ここで見落としてはいけないのが、中学3年生の段階です。アメリカの教育システムでは、日本の中学3年生は高校1年生と同じ扱いになります。つまり、この時期の学力や成績は、そのまま高校のスタートとして見られます。

私自身はこれまで、義務教育とは「必ず教育を受けなければならない」という意味であり、最低限ここまでは身につけておくべき基礎を保証するものだと考えていました。しかし実際の現場を見ると、必ずしもそのように機能しているとは言えず、「行かなくても卒業できる」という認識が広がっているように感じます。

その結果として、本来身につけるべき基礎が抜け落ちたまま高校に進んでしまうケースも少なくありません。この中学段階での遅れは、そのまま積み重なり、後になって英語や他の教科で大きな壁となって表れてきます。この時点での差は小さく見えても、その後の進路や選択肢に大きく影響していきます。



成績の矛盾が生まれる理由


さらに現場でよく見られるのが、ひとつの矛盾です。中学3年の成績は低い、あるいは学力が十分に身についていない状態で高校に進んでいるにもかかわらず、通信制高校に入った途端に成績がほぼ満点に近くなるケースです。本来であれば学力は連続しているはずですが、評価だけが急に上がってしまう。このギャップは、外から見たときに必ず違和感として残ります。

通信制高校での成績が、そのままその生徒の実際の学力を正確に示しているとは言い切れない場面もあり、この点については現場にいる中で強く感じることがあります。特にアメリカの大学進学を前提に考えたとき、このような成績の見え方が、結果として実態と乖離した印象を与えてしまうのではないかと懸念することがあります。実際の学力と評価の間に差がある状態で進学を目指すことは、入学後の学業や英語面での負担にもつながりかねません。

大切なのは、数字としての成績だけでなく、その中身が伴っているかどうかです。見た目の評価と実際の力が一致している状態を作ることが、将来に向けて最も重要な準備になると考えています。



通信制だけの問題ではない現実


一方で、この問題は通信制に限ったものではありません。日本の環境では、練習量が多く、移動にも時間がかかるため、普通校に通っている選手であっても、テニスに力を入れれば入れるほど時間は限られていきます。その中で、勉強の時間を確保することは簡単ではありません。しかし、そのような状況でも、SNSの投稿やスマートフォンに使う時間は意外と確保されているケースも多く見られます。



時間の使い方と優先順位


学生である以上、勉強は避けて通ることはできません。テニスを選ぶのであれば、限られた時間をいかに効率的に使うかが重要になります。本来であれば、テニスと勉強を両立させるために、勉強以外の時間を削る覚悟が必要です。すべてをそのまま維持したまま結果を出すことは現実的ではありません。

大好きなテニスをたくさんするために通信制を選ぶのであれば、少なくとも携帯でゲームをしたり、SNSに時間を使ったりする余裕があるはずはありません。本来であれば、その時間を勉強に充てるべきです。通信制という選択は自由に見えて、実際には強い自己管理が求められる、とても難しい選択です。



テニスと将来の現実


それにもかかわらず、テニスもやり、遊びやSNSの時間も確保し、さらに勉強まで後回しにしてしまうのであれば、それは優先順位の問題です。限られた時間の中で何を選び、何を削るのか。その判断ができないままでは、テニスにおいても世界で戦えるレベルに到達することは難しいと言わざるを得ません。



英語力が選択肢を決める


アメリカの大学でプレーすることを目指す場合、最も大きな障害になるのは間違いなく英語力です。特にDuolingo English TestやTOEFLのスコアが上がらないことで、希望している大学に届かないだけでなく、本来行けるはずのレベルの大学への道も閉ざされてしまうことがあります。英語のスコアは単なる条件ではなく、進学先の選択肢そのものを決めてしまう要素です。この現実をしっかり理解しておく必要があります。



最後に


通信制高校は本来、時間を自分でコントロールできるという点で非常に強い環境です。しかしそれは、自分で考えて行動できる人にとっての強みであり、何もしなければそのまま差が開いていく環境でもあります。だからこそ大切なのは、時間があるからやるのではなく、目標があるからやるという考え方です。テニスと学力のどちらかを選ぶのではなく、どちらも積み上げていくという意識が必要になります。

そしてこれはテニスに限った話ではありません。今の日本の学生全体に言えることとして、学ぶべき時期にしっかりと学ばなければ、その影響は将来に必ず現れます。個人の問題にとどまらず、社会全体の力にも関わってくる話です。今の積み重ねが、そのまま将来の選択肢を決めていきます。

通信制に進むこと自体が問題なのではなく、その使い方がすべてを決めます。テニスのためにその選択をするのであれば、それに見合う行動が必要です。その積み重ねが将来の選択肢を広げていきます。

 
 
 

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